珈琲の広場

プレスリリース

2022.02.11

「小川珈琲 堺町錦店」2022年2月11日(金)オープン

持続可能なコーヒーサプライチェーンとトレーサビリティを実現する“100年先も続く店”。

1952 年(昭和27)、日本の珈琲文化の黎明期に創業して以来、小川珈琲株式会社 ( 本社:京都市右京区、代表取締役社長: 小川 秀明) は、京都の美意識と感性、そして鋭い審美眼に育てられ、支えられながら、「本物」の価値ある商品を創るという理念に向かって、70 年にわたる歩みを進めてきました。しかし、私たちは世界に通じる薫りや味わいだけを追い求めてきたわけではありません。「小川珈琲」が目指すのは、珈琲文化を未来につなぎ、コーヒーを通して持続可能な社会に貢献していくこと。一杯のコーヒーによって、様々な人々の心が満たされていく、そんなかけがえのない日常です。

 

創業70 周年を迎える2022 年(令和4 年)。「小川珈琲」は、これまで培ってきた“ 京都の珈琲職人”としての矜持を胸に、これからのあるべき姿を体現する場所として「小川珈琲 堺町錦店」をオープンする運びとなりました。創業の地、そして「京の台所」として愛される錦市場からほど近い場所にある町屋を改装。伝統に革新を重ねながら、長い歴史を刻んできた古都の趣を残す建物から「小川珈琲」の新章が始まります。

 

「小川珈琲 堺町錦店」のコンセプトは、“100 年先も続く店”。私たちが長年にわたり取り組んできたサステナブルな活動をより深くお客様に体験していただくために、珈琲づくりの基盤である地球環境や生産者の暮らしを守る一助となる、有機JAS認証や国際フェアトレード認証をはじめとするエシカルコーヒーのみをラインアップ。それらの銘柄のブレンドを中心にネルドリップでご提供することで、日本の喫茶文化の原点を見つめ直し、コーヒーを通じて参加できる社会貢献活動があることをお客様に知ってもらいながら、本質的な体験価値を京都ならではの “ おもてなし” の心とともにお届けいたします。

 

「一粒の豆を大切に」。これまでひたむきにコーヒーと向き合ってきた歴史を忘れることなく、熱い感性と厚い技術で持続可能な珈琲文化と社会を紡いでいくために。「小川珈琲」の新しい挑戦にどうぞ、ご期待ください。

|COFFEE|
エシカルなコーヒーの美味しさを日本の喫茶文化を象徴するネルドリップで。

私たち「小川珈琲」は、珈琲づくりの基盤である地球環境や生産者の暮らしを守るために、その一助となる認証を取得したエシカルコーヒーの本格的な取り扱いを、国内での認知が低い頃より他社に先駆けて行ってきました。また、その取り組みを継続的に行うことで、有機JAS認証コーヒー販売量と国際フェアトレード認証コーヒーの国内資本販売量累計ともに、国内スーパーマーケットにおいて最も支持されるブランドとなりました。

 

「小川珈琲 堺町錦店」は、弊社がこれまで取り組んできたコーヒーを通じたサステナブルな活動を、さらに推進していくための新たな拠点。地球環境や持続可能な社会のために“ 一杯のコーヒーからできること” を、より深く「本物」の味わいを通してお客様に伝えていきます。当店では、そんな強い思いから《GRANCA(グランカ)》の名を冠する8 種のエシカルコーヒーのみをラインアップ。「小川珈琲」のバリスタにしか引き出せないボディ感を持つ、濃くてマイルドなコーヒーを日本の珈琲文化を象徴するネルドリップで、ブレンドを中心にご提供いたします。

 

コーヒーの個性を引き出し、クリアな味わいに仕上げられるネルドリップは、繰り返し器具が使えるのも特徴です。弊社では当店のオープンに際し、GOTS 認証* を取得したオーガニックコットンをフィルター部に使い、岡山の真鍮作家・Lue がハンドルを手がけたオリジナルのネルドリッパーを開発。環境への配慮と「本物」の味わいの両立を実現しました。また、「小川珈琲 堺町錦店」ではフードロスや容器包装等の削減を目指し、従来のサービスの見直しも行っていきます。例えば、コーヒーの量り売りやテイクアウト容器の持参をお客様に推奨していくほか、すべてのメニューをデジタル化。無駄を省き、質の高いサービスを維持する努力を日々続けながら、持続可能な社会実現に向けた活動を実践していきます。

 

堺町錦店メニュー:www.oc-ogawa.co.jp/nishiki/menu

*GOTS(Global Organic Textile Standard)認証とは、繊維製品を製造加工するための国際基準です。
オーガニックのコットン、ウール、麻、絹などの原料から環境的・社会的に配慮した方法で製品をつくるための基準です。

|BEANS|
GRANCA

各種認証( 有機JA S 認証・国際フェアトレード認証・バードフレンドリー® 認証・オランウータンコーヒープロジェクト認証)を取得し、弊社独自の品質基準を満たしたコーヒー豆だけを厳選したエシカルコーヒーです。

  • 有機JAS 認証

    化学的に合成された農薬やたい肥などに頼らず、自然の力を精一杯活かし育てられ、土壌など環境への負担を軽減。農園で働く生産者にも優しい農法。京都工場、2001年有機JAS 認定を取得。

  • 国際フェアトレード認証

    農産物や製品など、生産者とのフェア(公正)貿易を通じ、経済・社会・環境を考慮しながら生産者の自立を目指す仕組み。2003 年に製造ライセンス取得。

  • バードフレンドリー® 認証

    防風や直射日光の緩和効果がある伝統的農法シェードグロウン(木陰栽培)は、ゆっくりと甘みとうま味を熟成させ、生物多様性のある環境を創ります。2004 年米国スミソニアン渡り鳥センターとロースターズアグリーメントを締結。

  • オランウータンコーヒープロジェクト

    多くの人々を魅了する高品質なコーヒーの生産を通して、オランウータンが生息する自然環境の保護や、現地のコーヒー生産者の生活を豊かにするプロジェクト。2017 年よりアジアで初めて取扱い開始。

|FOOD|
京都産小麦から生まれた食パン、素材本来の味にこだわった喫茶メニュー。

エシカルコーヒーに加え、「小川珈琲 堺町錦店」のもうひとつのテーマは、“ 古き良き日本の喫茶店文化の再構築”。オーガニックやフェアトレードといった視点だけでなく、食材の地産地消といったサステナビリティにも目を向け、喫茶店で古くから慣れ親しまれてきた喫茶メニューのブラッシュアップにも取り組みました。

 

「100年先も食べ飽きない、毎日食べられる食パン」の実現を目指して、“ 常食” としての食パンを開発したのは、京都を代表する本格派フレンチスタイルのブーランジェリー「ル・プチメック」の創業者、西山逸成氏。原料となる京都産の小麦と真摯に向き合い、試行錯誤を重ねた結果、従来の食パンとは異なる独自のレシピを開発。西山氏本人が「これ以上のものは作れない」と胸を張る「小川珈琲 堺町錦店」だけの京都産小麦食パンに加え、味のコントラストが楽しめる全粒粉食パンが誕生しました。

 

食パンの魅力を引き出す料理を中心とするフードメニューの監修を務めたのは、「シェルシュ」代表の丸山智博氏。牧草のみで飼育された牛から摂れるグラスフェッドバターに、京都「佐々木酒造」の米糀をミックスして作った糀バターなど、手間暇かけてハンドメイドの美味しさを追求。スペインの“ ジョスパーチャコールオーブン” を採用し、素材本来の美味しさが際立つ喫茶メニューを完成させました。また、「小川珈琲 堺町錦店」では、京都の伝統的な食材を使用したオリジナルのアレンジドリンクも開発。地産地消だけでなく、地元食材の新たな可能性も提案していきます。

|SPACE|
築100年を超える町家を改装。伝統の上に革新の精神が息づく空間

伝統に安寧することなく、たえずその価値を磨き上げながら、長い時間をかけて日本固有の美と文化を築き上げてきた京都。私たち「小川珈琲」は、今もこの街に息づく革新の精神を承継し、先人たちが培ってきた珈琲文化の叡智をこれからの時代に相応しいかたちで未来へとつなぐために、創業の地である柳馬場や「京の台所」と愛される錦市場からほど近い場所に残る、築100年を超える町家を新店の舞台に選ぶことにしました。

 

この歴史ある建築を蘇らせるにあたり、クリエイティブディレクター・南貴之氏とインテリアデザイナー・佐々木一也氏が目指したのは、建物の歴史と記憶を受け継ぎながら、100年先も通じる普遍的な美しさと機能性を兼ね備えた店を作ること。「うなぎの寝床」とも呼ばれる京町家の伝統的な細長く深い造りはそのままに、エントランス部分を吹き抜けにし、造作したトップライトからの光も取り入れることで、既存の建物になかった開放感を演出。ファサードをシンメトリーな顔付きに整え、視線の先に見える坪庭の植栽を植え替えるなど、象徴的な場づくりを行うことで、世代を問わずあらゆる人々がくつろげる居心地のいい空間を目指しました。

 

また、既存の木軸を活かして仕上げたモルタルの壁を始め、あく抜きといった手法を施すことでニュートラルな表情に転化させた躯体の木柱や同様の工法で仕上げたオーク材の壁など、伝統的な町家に新しい息吹を吹き込むことで、元々の建物が持っていた重厚な印象をボリュームダウン。日本古来の美意識とコンテンポラリーな感覚が折衷した懐かしくも新しい空間が誕生しました。

|POP-UP SPACE & EVENT|
京都の街に新しい息吹をもたらすイベントスペース

「小川珈琲 堺町錦店」では、2 階にイベントスペースを併設。京都の美意識と審美眼によって磨き抜かれた伝統文化から、新しい感性に満ちた新進気鋭のクリエイションまで、古の時代から京都に息づく“ 伝統と革新” という精神性を体現するコンテンツを世界に向けて発信していきます。また、地域の人々はもちろん、京都を訪れるすべての人々との交流をこの場所を通じて育みながら、古都に新たな息吹をもたらすコミュニティの醸成を目指していきます。

オープニングイベント
「今も続く民藝との共鳴」 by objects

「小川珈琲」が誕生する25年ほど前、思想家の柳宗悦らは無名の工人たちが作った日用雑器に美を見出し、こうした美に対する一連の考え方を民藝という言葉で提示しました。民藝運動と呼ばれるこの大きな動きは、現代を生きる作家たちにも多大な影響を与えています。本展では、“「今もなお人々の心を打つ、健やかな美しさ」を伝える” をコンセプトに、京都と所縁の深い河井寛次郎や人間国宝としても知られる金城次郎の作品を始め、民藝の美や考え方から影響を受けた現代の作家たちの作品をセレクトしました。島根県松江市にある工芸店「objects」店主・佐々木創氏がキュレーションを手がけます。

会期:
2022 年2 月11 日~2 月20 日
出品ラインアップ:
河井寛次郎、舩木道忠、舩木研兒、金城次郎 (陶芸・物故作家)掛谷康樹、齊藤十郎、島岡桂、西持田窯(陶芸)垣内信哉(硝子)、松﨑修(木工)、須浪亨商店(いかご)

|MEMBER|
小川珈琲に関わるメンバー

クリエイティブディレクター : 南 貴之
2008 年 alpha 設立後、国内外の様々なブランドのPR を手掛けるPR 事業、ショップのディレクションのみならず、ブランドのコンサルティング、空間デザイン、イベントのオーガナイズなどを行うディレクション事業を立ち上げる。自身がプロデュースする、キュレーション型のセレクトショップGraphpaper」や「FreshService」をはじめ、OGAWA COFFEE LABORATORYのクリエイティブディレクターを務めるなど活動は多岐にわたる。

 

建築デザイナー : 佐々木 一也
1977 年、岩手県生まれ。インテリアデザイナー。SMALLCLONE co.,ltd. 代表。「EXITMETAL WORK SUPPLY」「LINE-INC.」「c:hord」を経て独立。「UNDERCOVER」や「ユナイテッドアローズ」など、人気ショップの内装を手がけている。最近の仕事として、GINZA SIX 内「MACKINTOSH 」、「Barbour」、「Alexander de Paris」、「UNDERCOVER」などがある。

 

料理監修 : 丸山 智博
1981 年長野県安曇野市出身。株式会社シェルシュ代表兼エグゼクティブシェフ。MAISON CINQUANTECINQ、AELU、LANTERNE を運営する他、ケータリング、レストランディレクション、メニュープランニングを行う。

 

編集者 : 柴田 隆寛
編集事務所Kichi 主宰。創刊から約3 年半にわたり、マガジンハウス『&Premium』のエグゼクティブディレクターを務める。現在は、講談社『栗原はるみ』のクリエイティブディレクターを務めるほか、小川珈琲のオウンドメディア『珈琲の広場』の編集も担当。メディア・広告・ブランディングなど、領域に縛られず活動している。

 

食パン開発 : 西山 逸成(ル・プチメック創業者)
1968年(昭和43 年)、京都府福知山生まれ。
イブ・モンタン主演のフランス映画『ギャルソン』と、テレビで見た三国清三シェフに憧れて、フランス料理の道を志す。レストランでの料理人修行、京都フリアンディーズでのパン修行を経て、渡仏。各地で料理の修練を積むとともに、フランス文化を吸収。1998 年にル・プチメックを京都に開店、全国から客がやってくる人気店へ押し上げる。

 

音楽セレクター : 沖野修也 (Kyoto Jazz Massive/Kyoto Jazz Sextet)
選曲家/ 作曲家/ 執筆家。これまでDJ/ アーティストとして世界35ヶ国140 都市に招聘されただけでなく、CNN やBILLBOARD等でも取り上げられた本当の意味で世界標準をクリアできる数少ない日本人音楽家の一人。

小川珈琲に関わる作家

ハタノワタル / 和紙職人

淡路島生まれ。多摩美術大学絵画科油画を専攻、制作を続けるなかで800年以上の歴史がある京都・綾部の黒谷和紙と出会い、和紙職人への道を歩む。平面作品から空間デザインまで、常識に捉われないアイディアで和紙の表現を続けている。

 

市川陽子 / 漆皮作家

大阪生まれ。京都芸術大学美術学部工芸科で学び、同大学院修士課程にて漆工を専攻。以降も京都を拠点に漆芸の長い歴史に向き合いながら、主に動物の皮を支持体とした制作活動を行なっている。

 

Lue / 真鍮作家

カトラリーを製作。菊池流架氏が主宰し、岡山県瀬戸内市にアトリエを構える。真鍮という素材を主体に器やカトラリーをはじめ、日用品やアクセサリーを製作。一点一点手作業で作られる”HAND CRAFT” ラインと、提携する工場にて機械で作られ”INDUSTRI-AL” ラインの二軸で製作活動を行なう。経年変化を楽しめる生活に寄り添う道具づくりにファンが多い。

 

TSUBAKI 宮原圭史・山下郁子/ボタニカルアレンジメンツ

2014年4月創業。海外メゾンのイベントのしつらえや、個人邸から施設の庭づくりまで、さまざまな場で花と植物の生命力を表現。都会の暮らしの中で自然本来の姿を感じてほしいと、可動式ビオトープ「OYAMA」も提案している。

 

野田幸江 / 花屋

1978 年滋賀県生まれ。
画家として絵画制作、発表の傍ら、家業である花屋「ハナノエン」で植物に携わるようになる。日常にある植物に触れ、様々な観点から風景についての創作を行なっている。受賞歴 ARTISTS’ FAIR KYOTO 2021 Akatsuki ART AWARD 最優秀賞

 

梅本敏明 / 木工職人

1977年 和歌山県生まれ。武蔵野美術大学 建築学科中退美容師、プロダクトデザイナーを経て、2012年 Studio Khl(i スタジオキイ)設立。プライウッドや杉の丸太を用いたオブジェを制作している。木をこよなく愛する梅本敏明は加工方法や素材の良さだけに囚われない柔軟な発想で様々な木作品を生み出します。

|OUTLINE|

名称:
小川珈琲 堺町錦店
(オガワコーヒー サカイマチニシキテン)
住所:
京都府京都市中京区堺町通錦小路上る菊屋町 519-1
電話番号:
075-748-1699
営業時間:
7:00-20:00(L.O.19:30)
ウェブサイト:
www.oc-ogawa.co.jp/nishiki
Instagram:
@ogawacoffee_nishiki

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株式会社alpha alphaPR 霜降高明

mail:
shimofuri@alpha-tokyo.com
tel:
03-5413-3546
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General Contact

小川珈琲株式会社 企画開発課 三輪欣悟

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miwa@oc-ogawa.co.jp
tel:
075-313-7333