日常でコーヒーをかけがえのないものにすること。「OGAWA COFFEE LABORATORY桜新町」はコーヒーと炭焼き料理のマリアージュをテーマに、常時19種以上のコーヒーを揃え、多種多様な楽しみを提案し続けています。そして、いつ訪れても、“料理を選ぶ楽しみ”や“新しい発見”に心高鳴るフードメニューが充実しています。今回はたくさんのラインアップから「桜新町店のスタンダード」にフィーチャー。炭焼き料理と朝・昼・カフェ・夜のスタンダードメニューの魅力について、シェフの菊山温規さんに話を伺いました。

新たな味わいを発見できる「炭焼き料理」。

「OGAWA COFFEE LABORATORY桜新町」で丸山智博シェフ(株式会社シェルシュ代表)とともにメニュー開発を手がけるのは、菊山温規さん。個人店のフレンチレストランで研鑽を積んだ後、「ケンゾー エステイト ワイナリー」でナパ・ヴァレーの上質なワインに合わせるモダンフレンチから、本格和食まで工夫を凝らした料理を手がけてきた。これまでに培ってきた“引き出し”を存分に生かし、桜新町店のフードメニューを多数、考案している。菊山さんは、コーヒーに合う「炭焼き料理」とどのように向き合っているのだろうか。

 

「桜新町店は、オープン当初から“炭焼きオーブンを使う料理”がコンセプト。普段から食べ慣れている料理、親しみのある料理を軸に『OGAWA COFFEE LABORATORY』として、料理として実験的な要素や新たなアプローチを加えてお客様に楽しんでもらえるように常に邁進しています。

 

たとえば、馴染みのあるメニューでも『こういった食べ方もあったんだ』と新たな発見をしてもらえるような料理を提供し続けたいと思っています。日本人からしてみると、炭焼き料理は、焼鳥や鰻など、昔から馴染みのある親しみやすいものだと思うんです。実際、通常のフライパンで焼いた調理と比べると、素材が香ばしくなり、味わいに深みが生まれる大きな魅力があると思います。

 

ちなみにうちの店では、スペインの炭火オーブン『ジョスパーチャコールオーブン』を使っています。扱い方は少し難しいのですが、温度調整など使い方の技術を身につければ、素材の味を存分に引き出すことができます。毎朝、開店の1時間前からオーブンを温めて、開店と同時に使えるようにスタンバイするのが料理人の1日のはじまりです。お客様に炭焼きの香ばしさや、素材の表面のカリッとした仕上がりについてご感想いただけたりすると、とても嬉しい気持ちになりますね」

 
 

MORNING_トーストに、炭の香りを。

朝7時から足繁く通う常連客が思い思いに、好きなコーヒーと朝食を頬張っている光景が、印象的。静かな安らぎの時間と、おいしさに満たされる贅沢を味わえる朝の時間に「スタンダード・メニュー」として常連に愛され続けるのは、焼き加減が香ばしいトーストだ。

「炭焼きトースト&自家製レーズンバター」

「池尻大橋にある『TOLO PAN TOKYO』の食パンをしっかり目に焼き上げました。トーストに『バターを塗る』感覚ではなく『乗せて食べる』食し方がおすすめ。この食パンは、炭の香りとも相性がばっちりなんです」。バターの上にフランス産の「ゲランドの塩」がふりかけられていて、ほどよい塩味とラム酒を効かせた味わいが食通を唸らせる。旨味が強いタイプの塩が“仕上げの塩”としての役目を果たしている。

 
 

「ハウスブレンド京都」

ペアリングしたコーヒーは『ハウスブレンド京都』。ブラジル、グアテマラ、エチオピア3カ国の豆のフレーバーを引き出し合った「OGAWA COFFEE LABORATORY」の定番ブレンド。「酸味と苦味のバランスが取れているフルーティーな味わいで、多くの人にとって親しみやすい味になっているのではないかと思います。ドライフルーツを連想させる酸味と苦味のバランスとなめらかな口当たりが特徴。ミルクとの相性もとてもいいです。桜新町店はフルーティーなコーヒーをベースにバラエティ豊かに揃っていて、コーヒーマニアの期待を裏切らない、毛色の異なるフレーバーに出合える喜びがあります」

 
 

LUNCH_“グリル野菜が主役”のビーフカレー。

“ランチのスタンダード”といえばカレー。桜新町店のビーフカレーは京都にある「小川珈琲 本店」で生まれ、長年常連に愛されてきた伝統の味。ひとりがオーダーすれば、スパイスの香りに誘われて、次々とオーダーが続く。そんな日常の贅沢メニューだ。

「小川珈琲特製ビーフカレーライス 焼き野菜添え」

一般的なビーフカレーとは違い、具材の主役は炭焼きでグリルした野菜。ユニークなのは、“ビーフは脇役”という、新しい立ち位置のカレーだ。「しっかり炭焼きして野菜に炭の香りをつけています。野菜の甘さと香ばしさが引き立った、旨みは格別。これがとてもカレーに合うんです。ゆっくりと咀嚼して味わいたくなる上品なカレーだと思います」

 

「エスプレッソトニック」

ビーフカレーライスのペアリングドリンクは、エスプレッソの濃厚な味と柑橘フレーバーのトニックを組み合わせたカクテル。「コーヒーカクテルのなかでも、爽やかなトニックの味わいが効いているとても清涼感のあるエスプレッソドリンク。カレーの香りや味の強さを一旦リセットしてくれます」

 
 

CAFÉ TIME_オーセンティックな王道カスタードプリンを

デザートは“昔ながらのかためなプリン”。オーセンティックな喫茶店で愛されてきた「あの味」を現代的にアップデート。マスカルポーネクリームやホワイトチョコレートを添え、味わいと食感のグラデーションを楽しめる工夫が光る一品だ。

「自家製プリン マスカルポーネクリームと果実添え」

「ふわりと鼻腔をくすぐるバニラの香りと、心地よい味わいが魅力です。マスカルポーネクリームに添えたエディブルフラワーは、店舗の屋上にある循環型ファーム『AGRIKO FARM』で収穫されたもの。このファームではアクアポニックス栽培を採用し、SDGsの17項目にフルコミットしています」

 
 

「コスタリカ マチョ」

ペアリングは、コスタリカ中西部の標高2000mほどの寒暖差が厳しい高地で作られたコーヒーを。アメリカンチェリーやラズベリーのような明るい酸味が特徴で、しっかりとした深みのある甘さが感じられる。「プリンの甘さには、酸味の効いたフルーティーなコーヒーがよく合います。ミルクの旨みが感じられるフラットホワイトを合わせれば、プリンが口の中で溶けるときのクリーミーさがさらに引き立ち、絶妙なハーモニーを楽しめます」

 
 

DINNER_炭焼き料理ならではの、肉の味わいを知る。

締めくくりはディナータイム。アラカルトはもちろん、炭焼き料理を存分に楽しめるプリフィックスコースの主役としても登場する『本日のステーキ』は、桜新町店の誇る看板メニュー。焼き加減に繊細な技が光る逸品だ。

「本日の炭焼き牛肉ステーキ 栃木県産下野牛のリブロース」

脂の入り具合が絶妙な良質な牛肉を炭火焼きに。柔らかい肉が、口の中でとろけていく食感がクセになる。ソースは酸味の強い赤ワインベースを。赤ワインが脂を抑える役割に。「『本日のステーキ』はそのときどきで部位は変わりますが、今日はリブロースを。とても柔らかい肉質で、一枚一枚軽やかに食べられます。肉ももちろん炭火焼きに。250℃の高温で、短時間で焼き上げるスタイルにしています。その理由は、しっかり火入れしすぎると肉が硬くなってしまうから。短時間の場合、炭の香りがどうしてもつきにくいので炭の香りをつけるために水とオリーブオイルを1:1で割った液体を炭に直接かけています」

 
 

「エスプレッソ マティーニ」

肉料理の箸休め的に、少しずつ口に含んでいきたいのが、軽やかに飲めるコーヒーカクテル。「肉料理のペアリングには、コーヒー系のカクテルが合うかと思い、その中からマティーニを選んでみました。一般的なマティーニと異なり、シェリー酒も入っていてほど良い甘さも感じられます」

 

炭焼き料理は肉だけでなく、野菜やパンの味わいもより一層、深みが増すのが魅力。調理の仕方で変化する、旬の素材の味の旨みとコーヒーペアリングの妙をぜひ、感じてみてほしい。

 
 

infomation
OGAWA COFFEE LABORATORY 桜新町店
住所:東京都世田谷区新町3丁目23−8 エスカリエ桜新町 1階
電話番号:03-6413-5252
営業時間:平日: 7:00〜22:00 (L.O.21:30), 土日祝: 10:00-20:00 (L.O.19:30)
URL:www.oc-ogawa.co.jp
Instagram:@ogawacoffee_laboratory