京都産の小麦粉があることをご存じですか? 「小川珈琲 堺町錦店」では、オープンに際し、地元京都の小麦を活かすこと(地産地消)をテーマに、京都産小麦を使った食パンを開発しました。プロジェクトは、まさに試行錯誤の連続。温度や湿度、焼き上がりのタイミング調整など、オープン直前まで試作を繰り返しながら、なんとか目指す味を実現できた経験は、私にとって貴重な財産となりました。

 

本店のパティシエを兼任しているのですが、普段パティシエとして働くときは、つねに同じ分量の物を同じ状態で提供することを心がけています。しかしながら、パン作りは違います。そのときどきの温度や湿度に合わせてオーブンの温度だけでなく分量の調整も行います。そうして毎朝焼き上がる食パンの表情や香りの微妙な変化を感じながら、明日もっと美味しくパンが焼けるように日々調整を続けています。

 

砂糖やバター、脱脂粉乳などを使用せず、シンプルな素材とレシピで小麦独特の風味を引き出した食パンは、もっちりとした食感と奥深い味わいが魅力です。毎朝、お店で焼き上げる、京都産小麦を使った“常食”としての食パン。ぜひ一度、ご賞味いただけたら幸いです。(小川珈琲クリエイツ 本店 河合郁二)

INFORMATION

小川珈琲 堺町錦店

2022年2月にオープンした「小川珈琲」の旗艦店。持続可能なコーヒーサプライチェーンとトレーサビリティの実現を目指し、有機JAS 認証や国際フェアトレード認証をはじめとするエシカルコーヒーのみをラインアップ。京都産小麦を使った食パンも同店のオープンに合わせて誕生しました。