入社のきっかけは、本能で選んだ道
大学時代は、他のコーヒーチェーンでアルバイトをしながら、いろいろなコーヒーショップを巡っていました。就職活動もして、内定をもらった会社もあったのですが、「本当にここで頑張れるのか」という実感が湧かず、前向きな気持ちにはなれませんでした。そんな現実から逃げるように役者をしてみたり、カフェを飲み歩いたりする日々。その中でお客として訪れたのが「OGAWA COFFEE LABORATORY 下北沢」でした。実はそのときまで小川珈琲をよく知らなかったのですが、この店と出会い、「やっぱり好きを仕事にしよう」と決意。調べてみるとちょうど新卒採用の募集があり、縁を感じて応募し、入社に至りました。
入社後は本社や工場、店舗を回る研修を経て、東京・桜新町店に配属。そこで気づいたのは、お客様として見えていたのはほんの一部分にすぎないということです。一杯のコーヒーを届けるためには、仕込みや接客、雰囲気づくりなど、目に見えない多くの積み重ねが欠かせません。たくさんあるコーヒーショップの中で、小川珈琲を選んでいただくためには、味だけでなく体験価値をどう生み出すかが、この仕事の醍醐味だと強く実感しました。
 
          店長代理として、体験価値を磨き続ける
2025年3月からは店長代理を任され、店舗の方向性を考え、スタッフを率いる立場になりました。お店のコンセプトである「体験型ビーンズサロン」をどう体現するか。お客様自身が抽出を体験できる仕組みや、バリスタの知識を目の前で体感していただく場を用意するのは当然のこと。その上で私が目指しているのは、「お店を出ても続く体験」を届けることです。ご自宅でコーヒーを淹れるときに「ここで学んだことを試してみよう」と思い出してもらえるような関係性。それが、この店ならではの価値になると考えています。
また、店長代理となってからは売上や数字と向き合う時間も増えました。数字は冷たいものではなく、お客様の行動やスタッフの努力を映す鏡。分析を通して改善点を見出すことで、お店をより良くしていける実感があります。さらに、スタッフ一人ひとりの強みを活かし合い、弱みを補い合うチーム作りも、私の大切な役割だと考えています。
これから入社を目指す方に伝えたいのは、「なぜ自分はコーヒーを好きになったのか?」という原点を持ち続けてほしいということ。味わいに感動したでも、接客やインテリアに惹かれたでもいい。その理由こそが、自分にとっての軸になります。大変なときや挫けそうなときに立ち返れる拠り所があれば、前に進み続けられる。私にとっての原点は「好きという気持ち」。その芯を持ち続けることで、努力を続け、自分を磨き続けられると思っています。
 
       
                   
                   
                  