スミソニアン渡り鳥センターとバードフレンドリー®

スミソニアン渡り鳥センター

1990年代後半、専門家によって北米と中南米を行き来する渡り鳥の減少が確認されました。そこで、アメリカワシントンD.C.にある世界最大の学術研究機関であるスミソニアン協会が「スミソニアン渡り鳥センター(SMBC)」を設立し、多くの学者・スタッフと渡り鳥の調査研究、保護に取り組んでいます。

バードフレンドリー®認証プログラム

— 渡り鳥とコーヒー農園 —

専門家が研究した結果、渡り鳥の生息にコーヒー農園が関係していることが明らかになりました。
伝統的なコーヒー栽培はシェードグロウン(木陰栽培)と言い、森林を守りながら行われてきました。渡り鳥はその森林を休息場所とし、そこに生息する昆虫などを餌としてきました。
しかし近年多くみられるコーヒー農園は低コスト化を図るため森林を切り開き、収穫を機械で行うようになりました。それによって自然環境が失われ、渡り鳥が減少していたのです。

— プログラムの創設 —

渡り鳥が生息できる、自然の森林に近い環境の農園を維持するにはとても手がかかり、消費者の支援無しでは困難です。
そこで、スミソニアン渡り鳥センターは認証基準を設定し、認証を受けた農園のコーヒー豆をプレミアム価格で買い取ることで、生産農家を支援しながら渡り鳥を守るプログラムを創設しました。それが、バードフレンドリー®認証プログラムです。

世界各国での取り組み

2015年現在、バードフレンドリー®認証を受けた農園は、グアテマラやコロンビアなど中南米を中心に11ヶ国27農園(農協・組合含む)にのぼります。 認証された生豆は、各国の輸入業者を通じ、45〜50のロースターによって米国、日本、ヨーロッパ市場で販売されています。

プログラム資金の使い道

バードフレンドリー®認証コーヒーの収益の一部はスミソニアン渡り鳥センターの運営資金として、世界中の渡り鳥保護、生態系保護のために使用されています。

コーヒー農園とバードフレンドリー®

渡り鳥の休息地「シェードグロウン」

— バードフレンドリー®認証の基準 —

コーヒー農園がバードフレンドリー®認証を受けるには下記の基準を満たす必要があります。
●有機栽培であること
●自然林に近い環境を保てるシェードグロウンであること
●シェードツリーが農園の40%を覆うこと
●11種類以上の樹種で構成されること
つまり、農園が自然林に近い状態でなければいけないのです。

認証基準

①15m以上の大木でシェードツリー
 全体の約20%
②12m以上の中木で全体の約60%
シェードの中心となる中木以外のシェードは約40%、最低10種類以上の樹種から構成。さらに、各樹種がシェードツリー全体で1%以上の構成比を占めなければならない。
小木約20%
コーヒーの木


— シェードグロウンとコーヒー栽培 —

シェードグロウンを活用した栽培方法は、渡り鳥だけではなく、コーヒー豆の品質や生産農家にとってメリットになる部分もあります。コーヒーの木は直射日光が当たり過ぎると木や葉にダメージを受け、木の寿命も短くなります。シェードツリーは強い日差しからコーヒーの木を守り、ゆっくりと熟成される実は品質の良いコーヒー豆になります。また、強い風を防ぎ、温度差を緩和させるなど持続可能な農園づくりにも役立っています。 シェードツリーに使用されるバナナや豆の木は、コーヒー以外の農産物として収穫され、花が咲く木からは蜂蜜を得ることもできます。そして、コーヒーの実に付く害虫は渡り鳥が食べ、抑制してくれます。